Wakamats〜市民が考える脳死・臓器移植―専門家との対話を通じて―



開催趣旨

平成16年版『科学技術白書』でも述べられているように、遺伝子治療・診断や臓器移植、遺伝子組換え食品・作物、原子力発電、BSE問題など、科学技術の関わる問題に対しても、国民参加型の意思形成が必要であるという考え方が出されています。しかし、一般市民・国民は、これにどう参加する、あるいは関わることができるでしょうか?  私たち市民参加研究会は、2003年春から「科学技術への市民参加型手法」をテーマとした研究プロジェクトの一環として、専門家と市民の対話を中心にすえた、新たな会議手法を開発してきました。そして、今年の1月から3月にかけて、この新しい手法を試行する社会実験として、「市民が考える脳死・臓器移植??専門家との対話を通じて」という対話型のイベントを開催しました。一般公募による市民パネル16人が、移植医や救急医、法律家、倫理学者、科学史家、NPO関係者、移植経験者など、14人の情報提供者(専門家)と直接対話しながら議論を深めました。

今回のシンポジウムでは、4日間24時間の議論のすえ市民パネルがまとめた、脳死・臓器移植についての「市民の提案」を発表します。また、この社会実験で用いた新しい会議手法と実施過程、今回の試行によって明らかになった課題を報告します。

シンポジウムには、イベントに参加した市民パネル・専門家をお招きし、自由に議論していただきます。私たち運営スタッフも討論に加わります。今回の社会実験に参加して下さった皆さんからの評価を頂き、会場にお集まりの皆さんを交えて、幅広い視点から議論したいと思います。この社会実験を素材として、脳死・臓器移植というテーマについて、科学技術への市民参加について、今後に活かせる議論ができればと願っています。

関心をお持ちの方々のご参加をお待ちしています。イベントに参加されなかった方々も、ぜひお気軽にお集まりください。

2005年4月4日
市民参加研究会代表
若松 征男