Google
WWW を検索 AJCOSTページ内 を検索
     
■■ 科学技術への参加を考える 設立総会
 
  コンセンサス会議の
  特徴
  デンマーク方式の
  標準的手続き
  日本における実践例
  外国における状況
  設立趣意書
  会則
  参加方法
  勉強会
  シンポジウム2002.06
  科学技術の定義
  コンセンス会議の
  有効な範囲
  科学技術への
  市民参加の意義
  コンセンサス会議の
  方法など
  提言の扱い
  科学技術への市民
  参加を考える会に
  ついて
 
1999年11月23日 議事録
出席者 :32名
会場  :東京電機大学神田校舎11号館16階1603-4会議室
      1999年11月23日午後1時〜3時30分

開会前にTBS「ニュース23」のビデオを見る。

発起人挨拶(若松) 司会・記録者の指名

司会:鏑木・石塚:手元の資料にしたがって2時間・長くても3時間
記録者:石川

会の趣旨説明と「発起人・会への参加希望者(リスト)」の紹介(若松)
設立趣意書をご覧にならずに今日お見えになった方はいらっしゃいますか?(2名、プリントを配る)
コンセンサス会議を日本でも試みようと、98年・99年に2回の実験を行いました。コンセンサス会議では、一般市民が特定の科学技術のテーマについて専門家から説明を受けた上で討論します。デンマークでは議会の下にこの機関があり、討論の結果は政策に生かされています。私たちの試みの第一回目は遺伝子治療を、第二回目はインターネットを扱いました。これらの試みはコンセンサス会議を日本に根付かせるための研究としておこなったのもです。何処かから頼まれて開催したわけではありません。しかし、私たちはこれを社会に根付かせて行きたい。制度化したい。そうなると、研究ではなくて運動が必要となります。そこでこの会を作ろうと考えたわけです。呼びかけは9月4日のシンポジウムの後に行いました。呼びかけに答えた入会希望者のリストはすでにできております。これ以上に詳しい問題は後の質疑の中でさらに議論することにしましょう。会則要綱案に掲げたこの会の目的と活動については了解の上で参加してもらっているものと思いますので、趣旨説明はここまでにします。


質疑
鏑木:
意見や質疑があればここで出してください。
和崎:
新幹線が遅れて遅刻しました。すみません! この会の名称について質問しますが、「科学技術への……」となっていますが、科学技術の問題に限るということでしょうか? すでに市民参加が定着している北欧ならともかく、行政に住民のコンセンサスが必要だという観念が日本では希薄です。こういう社会では、会の活動を科学技術に限定してしまうのはいかがなものでしょうか?
鏑木:
 
これは難しい議論です。試みだから科学技術に限定しては、という考え方もあります。
 
溝内:
科学技術に限定することに違和感があります。遺伝子治療のような問題より廃棄物処理等の身近な地域に根ざした問題を扱ったほうが良いのでは?
 
鏑木:
学のほうに近い人の意見は?
塚原:
良くわかんない。
鏑木:
前二回の会議の経験にとらわれずに考えては?
ウダ:
コンセンサス会議自体を広めたいのか、それともそれを使って別のことをしたいのか、わかりません。どちらであるのかによって会の作り方が違ってくるはずです。
若松:
「科学技術への」をつけておくべきだと思います。ターゲットは絞っておきたいのです。社会が抱えている問題の大多数は科学技術とかかわっています。それから、身近な問題に限定するのには反対します。身近でないからと放置した結果問題が大きくなってしまっている、というのが科学技術をめぐる問題の現状で、こういう事態が多すぎるからです。それから、会の趣旨は「市民参加の制度化」であると考えています。
安藤(初参加):
科学技術を頭につけることに賛成するが、それは活動をそこに限定するという意味か?
若松:
私たちが個々のコンセンサス会議を主催するのではありません。コンセンサス会議の手法を制度化することが会の目的です。この手法をつかって何かしたいなら、そういう人たちを援助することもできます。それが科学技術問題でなくてもです。
鏑木:
とりあえず絞っていくということに個人的には賛成します。
堀野(初参加):
新聞社の科学技術関係の記者をしています。科学技術を市民から考えようという試みに驚きました。科学の先端の部分がどういう意味を持っているのかというのを市民で考えようという趣旨かなと思って参加しました。
若松:
科学技術の問題性というのはおっしゃる通りです。が、ここでのテーマは市民参加ということにあります。科学技術をめぐる個々のテーマに明確な考えを持っている人は運動にかかわっていくことができます。しかし、そうでない人は科学技術の問題にかかわれない。そういう人たちの声を科学技術に反映させることを考えているのです。
木場:
これまでのコンセンサス会議の過去の経緯を引きずっている人間の一人です。私としては若松さんの立場に賛成します。市民参加の観点からいろいろかかわっていこうというのは魅力的ですが、こういうことはいろいろなところでなされています。市民参加だけならここでなくてもできます。この会の活動は、科学技術というブラックボックスの将来を見越す運動でありたいと思います。
所澤:
メインは科学技術に重きを置いた会議にしたほうがいいと思います。そういう会だと考えて私は参加しました。たとえば、昨日のジェット機の墜落事故ですが、こういう時にどうやって生活を維持するかを考えるのだ、ということをこの会の特色にしたいのです。
福田:
教師の経験から、子どもたちの理科離れは厳しい問題だと考えています。子供たちは自分には関係ないと思っています。そしてそう思っている子供たちが大人になったのが今の日本です。しかし、今問題になっている多くのことは科学技術に絡んでいます。この会の運動は、こういう状況下で関係無いと思っている人たちに訴えかけることができるもののではないかと思います。いろんな問題にこの手法は使えるが、間口を広げすぎると宗教団体のようになってしまうので、限定したほうがいいでしょう。
中野:
科学技術ということばをつけなけいで、単なる市民参加としたのでは、この会のNPOとしての意味はないのではないでしょうか?
森田(初参加):
私は電機大の卒業生です。技術者になる前に人間教育、というのが電機大初代学長のお考えでした。ここの卒業生がストライキをすると日本中の発電所がとまります。出発点はやはり間口を広げないやり方がよい。間口は狭くても、問題はあらゆるところに広がっているのだと思います。
和崎:
科学技術の結果を求めるのではなくて、コンセンサス会議という手法を広めることが目的ということですね。例を出しますと、姫路に播磨空港を作ろうとする動きがあります。空港を作ろうという署名が集まって作ることになったのですが、これはコンセンサスではありませんでした。不賛成だという人の意見が入っていないんです。広義での科学技術と、地域での具体的な問題とをどうかかわらせるのか、という問題がある。この会の活動が播磨空港に関する合意形成にも協力できるようなものであるのなら、「科学技術」を頭につけておくことに賛成します。
鏑木:
目黒区のゴミ問題等数件、「コンセンサス会議を使ってみたい」という連絡がありました。放っておいても広がっていくように思えます。この問題は、「科学技術」という語を付けるということで決着しましょう。
鏑木:
次の問題は……
ルイス:
コンセンサスという語をなぜ入れないのですか? 外来語だからですか?
若松:
ある程度のひろまりを得るにはこの語は不適当ではないかと考えたので
す。またこれまでは「市民の会議」という名称でやってきたという経緯もあります。
鏑木:
先ほどのウダさんからの質問ですが……
ウダ:
この会の運動が、コンセンサス会議を普及する運動なのか、コンセンサス会議をやる運動なのかがわかりません。「科学技術」という語をつけるかどうかという今の議論は、コンセンサス会議を普及するというこの主張と相容れないのではないか、と先日も小林さんと話したところです。
若松:
要綱案の2から3を見てください。この要綱がいまの質問の答えにはなっていないませんか?(要綱読み上げ)
ウダ:
要綱に言う通りなら「科学技術」はいらないのではないですか?
若松・石塚・鏑木:
この方式だと科学技術への市民参加という点で成果があるよ、ということなのですが(にんじんを切るにはこの方法がいいよ、という比喩)。
ウダ:
???
若松:
要点は「科学技術への市民参加を推進し」というところにあります。そのためのコンセンサス会議、という位置付けです。
和崎:
にんじん切りたいというのはいいが、私はたまねぎ切りたいというときはどうするかということです。コンセンサス会議のHPを見れば、いろんなリンクからどういう使い方ができるかがわかる、というようにすればこれが意味を持ちます。コンセンサス会議をやった報告だけでも十分に価値があります。
水沢:
今の話では、コンセンサス会議はいいことだという話だが、「科学技術に対する」というのが重要な点ではなかったでしょうか。科学技術になぜ市民参加が必要なのかを説く必要はないのですか? なぜ、科学技術に市民参加が必要なのですか? 市民参加がなじまない分野もあるのではないですか?
若松:
これまでやってきた経験からも、シロウトは黙ってろというのはおかしいのではないか、というのは当然だと思います。だから「科学技術への市民参加」なのです。
水沢:
具体的な問題がないのにそんなことを言っても……
若松:
事柄は「科学技術への市民参加」であって、科学技術と市民参加は別物ではないのです。
水沢:
一般論として、科学技術への市民参加は必要なのか、という質問なんです。
木場:
コンセンサス会議は有用だけれども万能ではありません。これだけをもって科学技術の問題は解決できるというものではありません。これを考えてみなくてはいけないという点では水沢さんと同意見です。
鏑木:
市民参加したからといって問題が解決するというものでないのは確かです。
木場:
しかし、コンセンサス会議をするとうまい結論がでるというイメージを与えることにもなりかねませんね。そう思う人もいるでしょう。
石川:
水沢さんのご意見は、なぜ科学技術への市民参加が必要なのかをはっきりせよということでしょうか。それでしたらすでに趣意書に書かれていると思うのですが。
水沢:
趣意書には書かれていないから念のために質問しているんです。
若松:
水沢さんの言っているのはこの会の前提だったはずです。必要なら趣意書にもっとちゃんと書き込むことだってできます。そういうことでよろしいのではないでしょうか。というわけで、この辺で会の設立を宣言したいのですが……。
福田:
趣意書にこの問題意識を書き込んでいただくことを提案します。それから、趣意書の3段落目の表現が要綱と合致していません。ここは訂正すべきだと思います。
中野:
コンセンサス会議のゴールはどこなのでしょうか?
鏑木:
一回目・二回目は実験でした。本来は成果がないといけないわけです。合意は行政府なり議会に吸い上げられないといけないのです。しかし、未だ日本ではこの成果を使うべき主体である行政府がまだ受け入れ状態にないわけで、そこでこの会を作ってこれを宣伝していきたいというわけなのです。
鏑木:
ではここで発起人リストを紹介します(発起人リスト読み上げ)。
鏑木:
これまでの議論を聞いて、やっぱりやめたいという人、会員名簿に名前がないが私も参加したいという方はいらっしゃいますか?
態度保留・止めたい:
なし
参加希望:
品川・吉村・佐藤・森田・堀野

4)会設立宣言(創立時会員の確認)
設立宣言(若松)「設立します!」(拍手!)

休憩

5)会の代表選出と運営委員決定(会計、会計監査の決定)
取りあえず出席者全員の簡単な自己紹介

代表:若松(拍手!!)
運営委員:笹本(会計)・塚原(会計監査)・小林・溝内・鏑木・牧・石塚・ルイス・石川・名和
鏑木:他にやりたい人はいらっしゃいますか? (なし)
鏑木:では以上の人を初期の運営委員として承認してください(拍手!!)

6)会則要綱(案)の提示と会則の決め方について
会則要綱(案)朗読(石塚)


討論
ウダ:
会則要綱の15の「総意」っていうのは大変なことです。ここの規定は?
若松:
まだ良く考えてませんでした。
鏑木:
会員の過半数っていうのは?
会場:
委任状が必要だったりして大変では?
鏑木:
会員総会出席者の過半数では?
中山:
ネットで意見を求めては?
鏑木:
ネットを使うなら投票数の半数っていうのは?
和崎:
事務局に負荷がかからない会則がいいと思います。うちの会では出席者の過半数ということにしています。定足数等は定めていません。
一同:
それでいいのでは!!!
牧:
辞める規定は?
若松:
辞める規定はこれから考えるところです。
質問:
会計年度は?
鏑木:
会計年度は1月1日から始まることにしてはどうか。(賛成)
ルイス:
会の英語名は?
鏑木:
メール等でやり取りして決めましょう。
牧:
入会申し込み等は?
鏑木:
申込書を送ってもらって入会にしましょう。郵送でもメールでもいいことにしましょう。
質問:
誰でも会員になれるのでいいのですか?
質問:
会費3000円の妥当性は?
質問:
会費3000円の根拠は?
質問:
年間予算からの逆算は必要ないのですか?
質問:
普通会員と賛助会員の区別は必要ないですか?
鏑木:
積極的にやる人は運営委員だということでいいんじゃないでしょうか。(笑い)
質問:
会報だけ読みたいという人はどうするのですか?
若松:
3000円出してください。(笑い)
和崎:
会員として名前を出したくない人のために「賛助会員」の制度があると考える必要はありませんか? 郵送と電子メールの両方の手段をとるなら、これは不平等だと思います。
若松:
この会を末永くやるにはこの平等を確立することはむしろ有害だと思います。同じ金で支えあうということがこの会の精神だと思うのです。メールを持ていない人は、メールを通じて意見を言ったりもできないのだから、むしろ不利だともいえるわけです。
鏑木:
この会は、会員になったからといって名前が出るということのない会です。会員名簿は非公開ですから。だから、それを考えて賛助会員の制度を作るのは意味がないのではないでしょうか。

以上の決定事項の確認
I 「会員の総意」は定足数なしで出席者の過半数。
II 入会の方法は、入会申込書の受領をもって入会とする。この場合、申込書はメールで送っても郵送してもかまわない。
III 退会規定は追って定める。
IV 会計年度は1月とする。
V 会の英語名はメール等でやり取りしながら決める。略称も。
VI 会費は年額3000円。会員は全員同額の負担とする。
VII 賛助会員の制度は設けない。
VIII 会員名簿は非公開とする。

7)事務局機構について
会則の作業グループ:牧・最終案の作成。
会員名簿の担当:石川・会員名簿は非公開で、 1)氏名 2)住所 3)電話 4)FAX 5)メールアドレスを記載
会計は笹本・会計監査は塚原
以上承認!!

8)当面の活動について
I トヨタ財団への申請:もらえたとして100万から200万;申請書類はキーワード勝負になる。
パンフレット作業グループは福田
運営方法検討作業グループは溝内
ワークショップ作業グループは今のところ空席
II 売り込みのワーキンググループを考えているが、具体的には未定。
III ホームページによる広報活動

質問:
トヨタへの申請は運営委員会でやるのですか。
若松:
はい。
質問:
トヨタがとおらなければ他にも売り込めるように資料を作ってはどうだろうか?
若松:
相手次第で変えなくてはならないところが出てくるから、その都度考えたいと思っています。
質問:
金がもらえるかどうかでやれることが違ってくるのではありませんか。もしもらえなければ会員数でその150万円を割って負担する必要はないのですか?
若松:
おっしゃる通りです。しかし、先回の報告書を作るという作業もあります。さしあたって、トヨタのお金が決まるまでの間はこれに集中したい。お金がないないなりにやり方はあると思います。それはそれでいいのではないでしょうか。
質問:
トヨタのへの申請書類と同じモノを提出してもお金をもらえそうなところはあると思います。そういうところの資料は集めてきても良いですか?
若松:
お願いします。
質問:
ワークショップは何をやるのですか?
若松:
これまでの経験や欧米の事例を紹介するということをすでに提案しています。
牧:
いつワークショップをやるのですか? 平日ですか? 週末ですか?
若松:
まだ考えてません。

9)その他

品川:
会の略称は? 正式名称では長すぎます。
会場:
英語の名称を縮めては?
若松:
これから考えましょう。
佐藤:
コンセンサス会議の標準的な方法とはどういうものですか?
若松:
私たちのやり方は省略したやり方です。前の報告書をごらんいただきたいのですが、ここに一部あるのでさし上げます。たとえば、数日間泊り込みで全国から参加者を集めるというのが標準的ですが、それはお金の都合でできませんでした。
若林:
自前でコンセンサス会議をする会ではないのですよね。
鏑木:
そうです。それが会の一本の柱。もう一つは紹介やなんか。
若林:
やってくれといわれたらやるのですか?
若松:
たとえば農水省だけが主催するからやってくれといわれたら、やりません。一つの機関が自分に都合のよい結論を出すために行ったのではないということが保証されるには、他の機関・他の意見をもっている機関にも運営に参加してもらう必要があります。そうでなくては、農水省の手足に使われるだけに終わる可能性がありますから。
中野:
会報は誰が出すのですか?
若松:
まだ決まってません。
中野:
私がやりたい!!
若松:
それはそれは!
鈴木:
科学技術者の責任を考える会を科学者としてやっています。専門家にもこの会を知って欲しいと思います。科学技術者向けにいろいろなグループとリンクしてやって欲しい。
鏑木:
それは望むところです。
牧:
今の鈴木さんの意見を、私たちの考え方を理解してくれている科学者を私たちとしても掌握してプールしておく、ということだと考えてはどうでしょうか?
一同:
それもいいかも……
閉会のことば(若松):
やれるところに手をあげて、勿論会報を読むだけも結構ですが、息長くやっていきましょう。6年ないし7年かかってやっていければと思います。今日はありがとうございました。

 


同類資料

  • 科学技術への市民参加を考える会(NPO)設立
  • 科学技術への市民参加を考える会・設立趣意書
  • 科学技術への市民参加を考える会会則
  •  
     
    (C)2002-2004 AJCOST 科学技術への市民参加を考える会  All Rights Reserved.