Wakamats イベント「市民が考える脳死・臓器移植」の成果・資料公開



「脳死・臓器移植」を考えた市民パネルの活動記録 −専門家との対話から市民の提案へ−

市民パネルから専門家への「鍵となる質問」

2005年2月5日

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1.考え方・枠組み

(1)これまで2日間の市民パネルの議論において、脳死・臓器移植の問題を考える際の基本的な枠組みとして、社会・文化・宗教、個人・家族、法律、医学という視点から考えてみました。私たちは、この問題を考えて行くと、「人の死とは何か」という問いに行きつくのではないか、とも考えました。
あなたは、この問題をどのような視点や枠組みで議論すべきだと考えますか。ご自身の見解をお聞かせください。

(2)あなたは今後、脳死・臓器移植がどうあるべきだと考えますか。また、かりにあなたが臓器移植を受けなければならないとしたら、臓器移植を受けますか。

2.脳死

(1)脳死は本当に人の死ですか。

  1. 脳死と判断された人でも現実に長期に渡って、体の動きがみられた例があり、家族の声に反応し、涙を流す脳死者がいるというが、それでも本当に人の死なのですか。
  2. 死の範囲はどこまでですか。

(2)脳死判定や脳死判定基準についておたずねします。

  1. 脳死判定は正しく行われているのですか。
  2. そもそも脳死判定基準は正しいものですか。
  3. なぜ脳死判定基準が必要になったのですか。
  4. なぜ脳死判定基準は国際的に統一されていないのですか。
  5. 脳死判定や脳死判定基準の妥当性は、どのように検証され担保されていますか。

(3)脳死者は臓器提供以外に存在意味はないのですか。

3.医療

(1)臓器移植を受けると本当に元気で長生きできるのですか。

  1. 移植を受けない方が生存率が高かったというデータをどう考えますか。
  2. 移植医療のほうが代替医療より優先されているのではないですか。移植に頼らない医療技術の可能性と限界について教えてください。

(2)脳障害の人を助けるための医療は、なぜ進まないのですか。

(3)現場の医療従事者の間では、脳死・臓器移植についてどのような議論がなされているのですか。病院内・病院間・学界など、ご自身の分かる範囲でお答えください。

4.社会

(1)脳死・臓器移植に関する情報公開や教育についておたずねします。

  1. 脳死・臓器移植について、適切に情報公開や情報提供がなされていると思いますか。また、今後の情報公開・情報提供(教育も含む)をどのように行っていくべきだと考えますか。
  2. この問題に関する報道の現状と問題点について、どのように考えますか。また、今後の報道はどのようになされるべきだと考えますか。

(2)脳死・臓器移植に関する社会的合意についておたずねします。

  1. この問題についての社会的合意をどうつくるべきだと考えますか。
  2. 医療現場と法律・政治(立案者)とのズレに対して、どのように対処すべきだと考えますか。

(3)臓器移植は人体の商品化を促していませんか。

5.制度

(1)臓器移植法ができたのに、現場での脳死判定や、脳死に対する国民の理解などの面で、様々な問題や混乱が生じているのはなぜだと思いますか。

(2)臓器移植制度の運用の中立性・公平性についておたずねします。

  1. 臓器移植コーディネーターは中立なのですか。その中立の根拠は何ですか。また中立性をチェックする仕組みはありますか。
  2. 運ばれる病院によって、脳死判定が行なわれるか否か決まってしまっている現状は、不公平ではありませんか。

(3)外国との制度上の差異が今後何をもたらすと考えますか。

(4)何歳以上の人であれば、自分で臓器提供の意思表示ができると考えますか。自分で意思表示できない人についてはどう考えますか。子供が自分で提供を決める能力がないとすると、親にそれを決める権利があると思いますか。

(5)日本で脳死者からの臓器提供が少ないのはなぜだと思いますか。意思表示カードの条件が厳しいからだけですか。臓器移植が進まない本当の理由は、家族の同意が容易に得られないからではないですか。